全 国 巨石磐座 探訪記 |
群馬県の 巨石 磐座 |
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赤城山カルデラ湖 | 前橋市は赤城山南麓に位置する群馬県の県庁所在地である。市内を利根川が流れ、きれいに整った街並みを見せる。 その北方約20kmの位置に赤城山が聳え、市街地から赤城山に向かうと、最初は気付かないほど微かな道路の勾配が、山に近づくにつれて次第に急になっていく。 赤城山とは無関係に見える市街であるが、古代の火山噴火により流れ着いた巨石群が今も市内に保存されている。 |
赤城山頂 |
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国指定の天然記念物「岩神の飛石」もその一つである。 現地の看板によると、周囲が約60m、地上高約10mで、地表下に数メートルは埋もれている。さらに、「この岩は火口から溶岩として流れ出したものではなく、火口から噴出した高温の火山岩や火山灰などが冷えて固まってできたものと考えられます。」とあり、続けて、「約2万年前の火山泥流によりこの近くまで押し流されてきたものと思われます。さらにその後の利根川の洪水によって、今の場所まで運ばれてきたと考えられます。――文化庁・群馬県教育委員会・前橋市教育委員会」と書かれている。 巨岩の横に稲荷神社が造営され、岩神の飛石は飛石稲荷の御神体となっている。一画は神社の境内として整備され、塀の向こう側にはスーパーマーケットがあり、前橋市街地の幹線道路の交差点かどにありながら、何の違和感もなく市街の風景に溶け込んでいる。 |
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古代人は、岩自体が霊性を持ち、あるいは神が依りやすいことをその感性でもって体得していた。それが原始信仰としての巨石崇拝につながり、後に神道が係わって神社になり、一方で修験道や仏教思想が加わったものも各地に見られる。火山噴火は人々が最も恐れる自然災害の一つであり、噴火によって飛び散って迫りくる巨岩群は、特に古代の人々には神の怒りそのものとして恐れられ、鎮まることを願う巨石信仰となったものであろう。 岩神の飛石は、今では神の怒りを鎮めて、街角に静かに佇んでいる。 |
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参考文献; | 大護八郎・著「石神信仰」 前橋市史編さん委員会・編「前橋市史 第五巻」 |
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