全 国
巨石磐座
探訪記
  
巖石神社の巌  兵庫県の
巨石
磐座
  
 
 
所在地;兵庫県宍粟市山崎町下町
 
    
 
 

巖石神社はその名のとおり厳めしい巨大な巖(巌、いわお)をその背後に有する。いや
、正確には、拝殿の背後にあるのが神社としての本体であり、ここの場合は巨大な岩壁が
御神体なのだ。

 兵庫県を横断する中国自動車道の山崎インターを降りるとそこは宍粟市である。山崎町は
兵庫県の西部にあって中国山地の東端に近く、その南側に位置する。山崎インターを出て
国道
29号線を少し北上し県道429号線に入る。市街地を抜けると県道沿いに巖石神社が鎮座
している。
  

  

入口の左側に石柱があり、説明文が彫られている。・・・・
・・・・「史跡 磐座(いわくら)」古代神を祭るため、神霊の宿る
と考えられた石の標識。自然石のままでも磐座と呼んだが、特定の
場所に置いたりたてたりしたものも磐座とした。
石は加工されていないものが普通で、形は不定形で一個の巨石の場
合もあるが数個の石を組み合わせたり積み重ねたものもある。
巖石神社の磐座はおよそ十メートルもある巨石で全国的にも珍らし
い。起源はおよそ二千二百年前の頃と思われる。・・・・・
・・・・・ 巖石神社が権現さんと呼ばれるのは、修験道(約千年
前)が開かれた神仏習合になってからである。途中断絶したのを修
験者によって信仰が復活されたと思われる。信仰の継続はともかく
として山石の偉容は変っていない。・・・・・
 

 

 鳥居をくぐり階段を上った先の境内にも詳しい説明板がある。
  ・・・・・・・大正121923)年に発行された「兵庫県宍粟郡誌」によると、
「大巳貴命(おおなむちのみこと)」・「菅原道真(すがわらのみちざね)」・
「火産霊命(ほむすびのみこと)」・「若年神(わかとしがみ)」がご祭神(さい
じん)されているとなっています。
「大巳貴命(おおなむちのみこと)」は、出雲大社にお祭りされている大国
主命(おおくにぬしのみこと)と同じ神様で「国つくりの神様」です。
「菅原道真(すがわらのみちざね)」(845903)は、平安時代の学者で天
神様と呼ばれる「学問の神様」として有名です。「火産霊命(ほむすびのみ
こと)」は、カグツチともいい漢字のとおり「火の神様」とされています。
「若年神(わかとしがみ)」は、正月にやってくる年の神様で、「稲や穀物
(こくもつ)の神様ともいわれています。

 
   これらの神様は、もともと別の場所にお祭りをされていたのが、明治41
1908)年に
巖石神社と一緒にされたもののようです。巖石神社の
特徴は、お社の後ろにそびえ立っている高さ
10mもある巨大な岩の
かたまりであります。大昔の人々は、このような巨大な岩には磐座
(いわくら)といって神様が宿っていると考えていました。これが
巖石神社のそもそもの始まりだったと考えられます。磐座は一個の
巨石の場合もあり、また数個の石を組み合わせたり積み重ねたもの
もあります。しかしこのような巨大な磐座は全国的にも珍しく、起
源はおよそ
2,200年前の頃と思われます。
 

また、この神社が「権現(ごんげん)さん」とも呼ばれるのは平安時代になって修験道(しゅげんどう)と呼ばれ
る山伏(やまぶし)が活躍する宗教が盛んになってからであります。巨大な岩石に神様が現れると考えたことによ
ると思われます。今も
2,200年前の巨大な岩の威容は変わっていません。
お社のかたわらには、樹齢(じゅれい・木の年齢)およそ250年の「夫婦(みょうと)ヒノキ」がそびえています
。(檜は旧山崎町の町木でもありました)。巨大な岩石とともに、長いあいだ地域の人々の暮らしを見守ってきた
のでしょう。現在でも地元では「権現さん」といって親しまれ、下町の氏子の皆さんによって毎日の参拝と夏と秋
に年
2回のお祭りが行われています。・・・・・」

神社の背後は山であり、巨大な磐座を見ることができるのは正面からだけであるのは少し残念ではあるが、磐座信仰が説明の
とおり2,200年前から連綿と続いていることを想起すれば、深い感慨を覚えずにはいられない。

 参考文献;   現地説明板
山崎町史編集委員会編「山崎町史」
兵庫県宍粟郡役所編纂 「兵庫県宍粟郡誌」
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