全 国 巨石磐座 探訪記 |
奈良県の 巨石 磐座 |
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所在地; 奈良県奈良市柳生町戸岩谷 |
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三重県伊賀市方面から伊賀街道(国道163号)を西進すると京都 府南部に入る。国道と平行するようにして木津川が流れる地域は 笠置町である。 笠置山の麓で橋を渡って笠置街道を南下して行くとやがて奈良県に 入る。山道を越えるとそこは奈良市柳生町、一昔前は村であった ひっそりと静かな一帯は柳生の里と呼ばれ、名立たる剣豪を輩出し た柳生一族ゆかりの地である。 に、芳徳寺という寺院が静寂の中に佇んでいる。 ここは柳生家代々の菩提寺である。 芳徳寺から千メートルほど森の遊歩道を南下すると、数個の巨石で 構成された神秘的な空間に入り込む。今回の目的地である天乃石立 (あまのいわたて)神社である。 |
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天乃石立神社は、平安時代に編纂された「延喜式神名帳」に記さ |
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特に前立磐は高さ6m、幅7.3m、厚さ1.2mあって全体が扉の形を している。 いかにも高天原の岩戸の扉石がこの地まで飛来したかのようだ。 神社としての特異な点は、遊歩道を参道に見立てると、参道入口 右側にいきなり複数のご神体が現れ、神秘的な異界に入り込むこと である。 さらに進むと瓦葺きの拝殿があって正式にはそこでおもむ ろに向き直ってご神体石群を参拝するものらしい。拝殿のすぐ奥に は一対の石灯籠があるが、信仰の篤かった柳生家の寄進によるもの とされる。剣聖柳生宗厳はこの付近の山谷で心身の鍛錬に励み剣の 奥義を極めたと云われる。 巨石磐座を探訪するときは古代世界に想いをはせるのが常である が、近世の人々の磐座との関わりを学ぶのも興味深い。そして現 代も巨石磐座信仰が息づいていることに安堵感を覚えるのである。 |
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参考文献; | 現地説明板 谷川健一・編「日本の神々・第四巻・大和」 奈良市史編集審議会・編 「奈良市史 社寺編」 神道大系編纂会・編「神道大系・神社編5・大和国」 |
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