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所在地;滋賀県犬上郡多賀町敏満寺
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多賀の地は琵琶湖の東部に位置し、その東側は鈴鹿山系の連峰を隔てて岐阜県と三重県に接し、
町域の大半が山あいに広がっている。北部及び西部は彦根市へと続き交通の便は良く自然環境にも
恵まれている。
多賀のシンボルと云えば何と言っても多賀大社であろう。名神高速道彦根ICを下りると国道306
線に出る。国道をしばらく南下すると多賀大社に至る。

多くの人々に「お多賀さん」として親しまれる多賀大社の歴史は古く、古事記並びに延喜式に祭神
である
伊邪那岐命(イザナギ)・伊邪那美命(イザナミ)の名が記載されている。
イザナギ・イザナミの両神は日本国土を産んだとされる古代の神々である。

多賀大社から真南に約2km 離れた所に青竜山という山がある。標高は333mで、頂上までの登
山道はあるが、ハイキングするにしては質素な山である。ところが、古代史の観点から見ると、
かなりの重要性を帯びてくる。

 多賀大社を後にして国道306号線をさらに南下すると国道沿いに胡宮神社があり、青竜山の北西方
向の麓に位置している。青竜山を遥拝しているかのようだ。祭神は
伊邪那岐命伊邪那美命、そし
て事勝国勝長狭命(ことかつくにかつながさのみこと)の
三柱とされる。先の柱は多賀大社の祭神
でもあり、後の神は塩土翁(しおつちのおきな)ともいう、と「多賀町史」に記載されている。

塩土翁とは海幸彦・山幸彦の神話に出てくる親しみのある古代神である。

「多賀町史」には <社伝によれば、胡宮神社は、遠く神代からの鎮座であるといわれている。
古くは秀麗富士のような青竜山を神体山とあがめ、日夜礼拝したのではないかと思われる。この山
の山頂近くには、大きな岩がるいるいと重なっていて、いわゆる磐座(いわくら)と呼ぶ霊場が、
いまに残っている。磐座というのは、神がおいでになる神聖な場所であり、神の御座である。>と
記載されている。
 

さて、胡宮神社を訪ねてみよう。
国道から誘導されるのは、裏参道の鳥居である。
言わば通用門からの方が入り易くなっていて、国道
から表参道の大鳥居へ入るのは地元の人でないと
困難である。これは大鳥居付近の頭上を国道が走っ
ていて神社入り口はそのガード下にあることに起因
するようだ。

   
裏参道       表参道

 通用門の鳥居をくぐって境内に入ると、神社境内に
敏満寺址を見る。
「日本の神々・第
5巻」他によると敏満寺は平安時代
の創建とされるが、後世の戦国時代に迫害に会い、
<往時の姿を失ったが、胡宮は「多賀大社胡宮大明
神」などと称されて多賀社の神威を背景に栄え、江
戸も中期以降になると多賀社の末社という形をいと
うようになり、奥の院と称してその独立性を主張す
るに至った。>とある。
 さらに、この地は村の名が「敏満」であり、
<そこに創建された寺を敏満寺と称した。・・・・
(中略)・・さらにその地にあった当社を寺の鎮守
社として「木の宮」と称したのであろう。>
と記載されている。

 これらの文献からは、多賀大社と胡宮神社、胡宮
神社と敏満寺相互の複雑な関係が垣間見える。

 

 
敏満寺址  仁王門址
敏満寺址記念碑  胡宮神社拝殿
     さて、難しい歴史問題はさておいてさらに境内を
散策すると、「胡宮神社のみ光を仰ぐ」という石碑
があり、先の
柱の祭神名の後に、「悠遠な上古より
青竜山のいただきにご鎮座 幸福 延命 授子 
授産などあらたかなご神徳は遠近にあまねくみいず
を慕って詣ずる人は今にあとをたたない。・・・」
と当社の由緒が彫られている。

 さらに別の石碑「胡宮の磐座」というのがあり、
 一つ;磐座 青竜山の頂上に大きな岩がある。
    大昔からこの岩を磐座と呼び深く信仰して
    龍宮を祭り、長寿、豊作、雨乞いの祈願を
    した。 ・・・・

 一つ;磐座は胡宮の奥宮であり、多賀大社の奥の院
    と呼んだ時代もある。

と山頂の巨岩との関係が明快に説明されている。
 
 
 

ここまで学習した上で、頂上の磐座を目指す。
目指す巨岩はじつは頂上にはなく、頂上と対をなす
頂き近くに鎮座する。

登山の途中、道から
50m程下ったところに旧跡
「お池」があり、昔参詣に先立ち身を清めた、と伝
えられ、今も湧水があり柵で囲まれている。

やがて登山道はT字路となり右は「頂上へ」、左は
「神の森いわくらのみち」との標識がある。
左折するとほどなく磐座に到着する。折り重なって
積み上げられたような巨岩の下部に祠が安置されて
いる、
複数の文献によると龍神など雨を司る神が祀られて
いてかつては雨乞いが行われたという。そしてこの
磐座こそが当山の山岳信仰の中心として崇められ
胡宮神社の奥宮であると記述される。
 
 山岳を崇拝し巨石を祭祀する事例が現在ここにも
 活き活きと存在している。

 
 
参考文献;  川崎透編「多賀大社とその周辺」
淡海文化を育てる会編 「近江・山の文化史」
多賀町史編さん委員会編「多賀町史・上巻」
谷川健一編「日本の神々・第5巻・山城・近江」
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