全 国
巨石磐座
探訪記
  
諏訪大社の磐座
硯石と御沓石
長野県
巨石
磐座
 
 硯石へは近づけない
 
 
硯石;長野県諏訪市中洲宮山1
  硯石は遠くから参拝
 
 
諏訪湖 
 諏訪盆地の中央に位置する諏訪湖は周囲長約16kmの大きさで、断層運動によって地殻が引き裂かれて生じた構造湖である。
 その北東から南側にかけて諏訪市、その東に茅野市、西側に岡谷市、北側に下諏訪町がある。諏訪湖を挟んで、諏訪大社が鎮座している。本宮と前宮からなる上社は諏訪湖の南東に、秋宮と春宮からなる下社は諏訪湖の北側に分かれて存在する。
 
 
諏訪湖

 祭神は建御名方(タケミナカタ)神とその妃神。
 古事記によれば、大国主神の子である建御名方神が国譲りに反対して敗れこの地に来た、と伝承される。
上社の背後の森は神体山と云われ、その奥に守屋山があり、本殿はない。
 信仰形態は古く、山岳信仰の他、「諏訪七石」、「諏訪七木」に代表されるように自然物や自然現象に対する信仰が強い。
 

 

一の御柱  
 諏訪湖の御神渡り(おみわたり)は、厳冬期に諏訪湖が全面氷結すると、その後氷が裂けて、裂けた部分が山のようにせり上がる現象が見られ、その年の吉凶をうらなう神事が行なわれ、上社の男神が下社の女神のもとへ通うという伝説がある。また、諏訪大社の氏子による、山から巨木を曳く勇壮な御柱祭は全国的に有名である。境内には合計4本の御柱が立てられている。  
二の御柱

諏訪大社上社境内には硯石と御沓石がある。ともに諏訪七石に数えられる。御沓石は一の御柱の背後にあり、諏訪明神の馬の蹄の跡がある神聖な霊石とされ、しめ縄が張られている。だが現場に説明板はない。もう一つ、御座石は上社境内にあったという文献もあるが(「日本の神々」)、確認できず、所在地は確定されていない。一方で、茅野市の御座石神社境内にあるという説がある。さらにもう一つ、蛙石も複数の候補があるものの所在がはっきりしない。

 
御沓石
  硯石は重さ400トンと云われる巨岩で、上社境内中心部の奥、脇方拝殿の屋根の上方に柵に囲まれている。この石の上部には常に水を湛える凹部があることからその名がある。
 説明板には「・・明神の天降り給う場所であり、神降しをする古代宗教の最高至極の位置であったと云われている」とある。
神体山の麓に位置するこの巨岩は諏訪明神が降臨した第一の霊石であると伝えられる。柵に囲まれ、人々が容易に近寄れない位置に丁重に保存されている所以である。
 
御沓石
 現在の参拝方法は、門のような「参拝所」(ここから先に一般は入れない)の前から拝殿を向いて、その奥の「神居」と云われる森を参拝するようになっている。このほぼ東西方向の軸線の右方に硯石がある。この参拝の形に違和感を覚えたのだが、参拝軸線と平行に長い回廊があり、それに沿って建つ四脚門から、その先の脇方拝殿の上方にある硯石を拝する事が出来る。その方向は丁度「参拝所」から「神居」を参拝する方向と直角に交差する。
説明板にあるとおり硯石は「明神の天降り給う場所」であるから、四脚門から硯石、そして背後の神体山とその奥の守屋山を拝するのが本来の原初の参拝の在り方ではないか。だとすると、この方がより真剣に参拝できる。
 明神とは元々の土着神のことではないだろうか。

境内の説明板全図
              二通りの参拝方向
    戸矢学・著「諏訪の神」には
「・・四脚門をくぐって霊地に入るのが本来の在り方である。」現在の参拝方向は「・・後世「神居」に建御名方神を祀ったことにより、変更したためであろう。」と記載されている。
 やはり自分の直感は正しかった。あらためて硯石の重要性を認識した。
 
参考文献   Wikipedia
現地説明板
諏訪市史編纂委員会・編纂「諏訪市史・上巻」
谷川健一・編「日本の神々」第九巻  白水社
戸矢学・著「諏訪の神・封印された縄文の血祭り」
(株)河出書房新社
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