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所在地;三重県熊野市有馬町上地
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 三重県はその東部が海に望んでいる。桑名市から伊勢市までは伊勢湾に接し、伊勢志摩南部から先は熊野灘に面している。
 紀伊半島をめぐる国道42号線を南下し尾鷲市を経由して熊野市に至る。熊野灘に面した海沿いを進んでいくと、やがて花の窟神社が右手に見えてくる。

 
 花の窟は日本最古の神社と云われ、自然を崇拝する古神道の源流に位置する信仰形態を今に伝える。
石の鳥居をくぐって参道を行くとゲートがあり、そこをくぐると眼前に広がる巨大な岩壁を仰ぎ見ることができる。
その岸壁が本殿でありご神体なのだ。
一帯は聖地として結界が張られた閉じた空間で、圧倒的な大きさで眼前に広がり聳える高さ45mの岩壁にイザナミの尊が、その対面の岩にその御子であるカグツチの神が祭祀されている。
 
 古事記及び日本書紀即ち記紀によれば、イザナミの尊はその夫イザナギの尊と共に日本国土を生んだとされる古代神の一柱である。

花の窟神社由緒書によると日本書紀からの引用として「イザナミの尊は火の神カグツチを生んだがその時の火傷のため死亡した。そして紀伊国熊野の有馬村に葬られたと伝承される。
 
    
    
 カグツチの神を祀る
 
イザナミの尊を祀る


花の窟から1.5kmほどの距離に産田(うぶた)神社があり(有馬町字里)、イザナミの尊とカグツチの神を祀る。その由緒によると、この神社は日本に米造りが伝えられた頃から存在し、ここで火の神カグツチを産み亡くなったので花の窟に葬ったという。
産田という名は産んだところと伝えている、とある。

 
 
 一方古事記神話によれば、妻の死を嘆き悲しんだイザナギはイザナミを広島の比婆山に葬ったとされる。たしかに比婆山には御陵が現存する。

さて、イザナミの尊の墓所についてどちらが本当の場所か?などと問うことはやめておこう。どちらも神話なのだから。
 ひょっとすると、神話世界は我々の知る三次元の地理世界と重なり合っていながら、熊野と例えば広島の比婆山とがワームホールのようなもので繋がっているのかもしれない。各地にある高天原も同様に繋がっているのだろうか?

そしてイザナギの尊は、その御子を怒りのあまり切り刻んで殺してしまった、というのは記紀神話に共通している。殺されたカグツチの身体から多くの神々が生まれるが、寸断された肉体は岩となって遠くは九州まで飛んだと伝承される。
この地に残った岩がイザナミを祀る巨大な岸壁の向かい側にある磐座となったのだろうか。

 これらの巨岩は地球がまだ混沌としていた頃に生成され、海の底で成長し、気の遠くなるほどの時間をかけて海面上に現れて現在の姿になった。
人間は海から生まれた。ここへなぜ何度も足を運ぶのか、ここへ入ると何故心が安らぐのか、その謎が今やっと解けたような気がした。ここは海なる母の胎内空間のような聖地なのだ。
ここへ来ようと思うのは、体内の深奥にある自分の細胞が人類発生の根源へと誘うからなのだろうか。
そしてこの場所で、母なる海の胎内へ還ってきたという疑似体験をするのだ。

 そう、イザナミの神はこの大地と大海の母神なのだ。

  参考文献 ; 花の窟神社由緒書
阿刀田高著「楽しい古事記」 

三浦佑之著口語訳「古事記」
宇治谷孟著全現代語訳「日本書紀」
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