全 国 巨石磐座 探訪記 |
巨石 磐座 |
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所在地;三重県志摩市磯部町恵利原
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伊勢市街地から磯部町に至る県道32号線を10kmほど南下した所に伊勢の天岩戸がある。 天岩戸は神話によると、天照大神が弟の乱暴に怒った末岩窟の中に隠れ、世界が暗黒になったために高天原の神々が集い、岩戸開きの儀式を行なった場所とされる。いったい高天原がどこにあったのかは判然としない。天の岩戸といえば宮崎県高千穂町の天岩戸神社が老舗のような存在であるが、同名の神社は全国各地にあり、どこが正しいのか、我々を悩ませる。ウィキペディアによると天の岩戸はざっと15カ所を数えるが、実際はもっとあるのではないか、と思われる。 |
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当地の天岩戸は恵利原の水穴ともいわれ、洞窟から湧き出る清水は名水百選に選定されていて、志摩市の生活水源となっている。残念なことには「この水を生水で飲むことは控えてください」との注意書きのあることだ。 現地の説明板によれば、この付近一帯は地元では高天原とよばれ、伊勢神宮内宮の南東に位置し、周囲は杉の大木が茂り凛とした霊気に包まれていることから、天岩戸神話になぞられているとしている。 |
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県道32号線はカーブが多く、車の運転には注意を要するが、道路脇に大きな看板があり鳥居をくぐって脇道に入る。終点に駐車場があり、そこから徒歩で目的地に向かう。案内板によると、天岩戸まで400m、そこから風穴まで300m、などと書かれている。太鼓橋を渡って階段を登り、鳥居をくぐって天岩戸の神域に入る。簡素な建物があり、その向こうにやや小さな洞窟がある。前に鳥居があって2本の竹筒から清らかな水が流れ出ている。 |
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「磯部町史」によると、洞窟は昔から「背すり腹すり」と呼ばれ、奥の広いところに水の神が祀ってある、とされるが、むろん入ることは禁じられている。 さて、この地が高天原であるかどうか、小さな洞窟が天岩戸であるかどうか、真偽の程を確かめるすべはない。というよりも、この手の設問は意味のない、ヤボなものかも知れない。 |
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林に囲まれた参道の先の名水の湧く洞窟へ至る道程はすがすがしく、この現実世界と神話の世界が交錯する聖地とも云えるのだ。そもそも高天原と天岩戸は天界にあるのであって、地上にあるものはその投影に過ぎないのではないか。そうだとしても、何故10カ所以上もこの地上に存在するのだろうか? |
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現地案内板 |
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