全国 巨石磐座探訪記 |
岩手県 巨石 磐座 |
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辺りは田園地帯で民家はあまりない。谷内の集落を過ぎ県道をそれて森林地帯に入っていくと間もなく丹内山神社に至る。 丹内山神社には七不思議が伝わっており、それぞれに興味を引くが、大いなる存在感を放つのは神社の奥に鎮座するアラハバキ大神の巨石である。 |
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この神社の祭神はじつはアラハバキ大神ではない。 神社入口の案内板によると、創建は約千二百年前上古地方開拓の祖神 多邇知比古神(たにちひこのかみ)を祀った、とある。 地域の信仰の拠点として栄え、坂上田村麿、藤原一族、物部氏他有力者 の崇敬を受け、神仏混淆の世には百八か所の御堂に同数の仏像が安置 されたと伝えられる。 参拝順序として神社奥の上段から下段の方へ向かうように指示されている。 でそのとおりにする。 アラハバキ大神の巨石は社殿ができる以前から存在したと思われ、奥宮 としての磐座と見てもよいのではなかろうか。 やや左寄りに空洞があり胎内石とも呼ばれる。胎内石は安産、受験、就 職、家内安全、交通安全、商売繁盛の他、壁面に触れぬようにくぐりぬけ ると大願成就がなされ、又触れた場合でも合格が叶えられると伝えられて いる。 |
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アラハバキという不思議な名前の古代神は、一般には東北地方の民俗 信仰において崇拝される神であるとされている。しかしながら、その起源 など謎が多いようである。 原点は南アラビアの一地方にあってアラハバキの語源は、最高の神を 意味する古代アラビア語の「アラバキ」からきているという説から説き起こし 、弥生時代の初期に日本に渡来した部族の最高神であったが、大和朝 廷や仏教の影響により影を薄められ、江戸時代には何神であるか不明に されて、わずかに古代氏族が王権の抹殺を逃れるために今日まで密かに その伝統を守り続けたのだという。 また、アラハバキ神は天孫族が渡来する以前に、先住民族によって祭 られた神、すなわち地主神である、という別の説もある。 アラハバキ神の謎については、近江雅和著「記紀解体」に詳述されている。 |
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さて、 |
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ここで、「大己貴命」と「大己貴命荒魂」とは何が違うのか?「大己貴命荒魂」は即ち「アラハバキ神」なのか?という疑問が 大国主の命は平和的に出雲の国を譲ったと伝承されているが、史実はそうではないかもしれない。武力を背景に国譲りを 前出の「荒羽々気神社」の祭神の神徳は「正しい勇気と身体健全を守護し特に健脚の守護神である」となっているが、この しかしながら、それはまだずっと先のことにしておこう、と思いながら、帰途に着くのだった。 |
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参考文献 ; 近江雅和著「記紀解体」 ; 丹内山神社説明板 | ホーム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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