全 国 巨石磐座 探訪記 |
東霧島神社と矢的原神社 |
九州の 巨石 磐座 |
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宮崎県高崎町にある東霧島神社の境内に、裂石という巨石が保存されている。それは大きな二つの岩からなり、あたかも刃物で真二つに切られたかのように、左右に分かれて注連縄で結ばれている。この巨石はイザナギ・イザナミ神話に関係する。 古事記神話によれば、地球創世記の頃多くの神々が生まれたが、その中で日本の国土を産んだとされるのが、イザナギとイザナミの二神である。 |
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東霧島神社によると、裂石には他に多くの名称があり、裂磐、神石、魔石、雷神石とも云うが境内の看板には、「愛しい妻イザナミの尊を恋い慕う悲しみの涙で凝り固まったのが「神石」である。」そして「十握の剣」でこの石を「今後再びこのような災難に世人が遭わないようにと、深き祈りの心を込めて三段に切った」と書かれている。つまり裂岩はカグツチの身体ではなくてイザナギの涙が固まったものだ、という。その一方で、カグツチを三段に切ったのが神石で、その一片は宮崎市内に飛んだ、という伝承もある。(「東霧島神社由来記」、「宮崎県大百科事典」) |
十握の剣 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
矢的原神社 | 神石の破片が飛んだ先とされるのが霧島神社である。場所は宮崎市内の狭い生活道路が入り組んだ住宅地の一角にあり、一般の観光客が来るような所ではない。霧島神社のすぐ近くに矢的原神社(やまとばる神社)があり由来の説明板によると、「矢は、霧島神社、的は、的石神社、原は、原権現神社の三社合社で、昭和13年より矢的原神社と申します。」とある。その境内に的石神社と表札のある祠の中に黄色っぽい二つの石が祭祀されており、その背後の古びた板に霧島神社由来記が書かれている。 |
的石 |
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霧島神社 |
それによると、東霧島神社でイザナギに斬られた神石の破片が当地に飛来して、それを「土地人は深く崇敬し氏神として祀る・・・」と書かれている。その前に祀られている黄色っぽい石は的石と呼ばれ別の伝承を持っている。 |
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参考文献; | 高崎町・「高崎町史」 花の窟神社由緒書 阿刀田高著「楽しい古事記」 東霧島神社・「東霧島神社由来記」 三浦佑之訳・注釈「口語訳・古事記」 宮崎日日新聞社・「宮崎県大百科事典」 熊野市史編纂委員会著「熊野市史上巻」 宇治谷孟著「全現代語訳日本書紀上下」 宮崎県北諸県郡高崎町・「高崎村郷土誌」 |
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