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所在地; 山梨県山梨市牧岡町西保下
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 山梨市を通過する国道140号線は、牧丘町を抜けて北上し
雁坂トンネルをくぐって埼玉県秩父市へ通じている。ために雁
坂みち、あるいは秩父往還と呼ばれる。
また、笛吹川に沿って伸びる区間がありそこは笛吹ラインと呼
ばれている。

 山梨市牧丘町は甲府盆地の北方に位置し、雁坂みちと直
交する形で東西に延びる県道
206号線の一帯は山に囲まれ
た丘陵地帯で、山裾までぶどうやリンゴの果樹栽培が盛んで
ある。
 
 
   山梨市街から国道140号を笛吹川と並行して北上し、牧岡ト
ンネルの手前で左折し県道
206号に入る。ほどなく自動車整
備工場を過ぎてすぐに南側の農道に入り田園地域を行くとそ
の一画にこんもりとした森があり、そこに立石神社がある。

 
境内入口には「村幣立石神社」と彫られた大きな石碑がある
案内板によると別名は加茂山神社立石大明神という。
祭神は天手力雄命となっている。
 
    古事記神話によれば手力雄の命は、高天原においてスサ
ノオの命の乱暴に抗議した天照大神がこもってしまった天の
岩戸の扉をこじ開けたという怪力の神である。
 立石神社の神体石は、18世紀の再建になる社殿の背後に
ある「八稜石」とされる。

 文献「牧丘町の文化財」には 「・・・・・御神体の八稜石は
本殿の裏にあり、高さ
10.6m、周囲19.6mの巨石直立す。・・・」
とある。同誌並びに「牧丘町誌」には「甲斐国志」からの引用と
して  「・・・手力雄命ヲ祀ル神体ハ八稜石ナリ社中大石多シ
皆直立ス・・・・・」 と記載されている。

 この神体石は全体に丸みを帯びていて特に角ばった部分
は見当たらないが「八稜石」と命名され、そのかたわらのやや
小さめの良く似た形の立石と夫婦岩のように屹立している。
 何度訪れても真っ先に魅了されるのがこの大変立派な巨岩
である。社殿の正面から右側に回って摂社の屋根越しに見て
も、背後にまわって全体を見上げても我を忘れてしまうほどの
存在感を持っている。
   
   社殿の左側から奥に入る。森の中には様々な形の巨石が
広い範囲にわたって思い思いの姿で鎮座している。両側は林
で中央を参道と見立てることもできる。
奥まった場所に小さな祠があり、シンとした静寂が昼なお暗い
神域を包み、異様な、しかもそれでいて清浄な空間を作り出し
ている。祠の両側とその背後は急勾配の山になっている。
    祠の右側から斜面を登り続けると、ほどなくおびただしい数
の巨石が組石のようになっていて、その一帯が祭祀場のよう
に見える。近寄ってみると岩の上に石碑があり「正一位秋葉神
社」と彫られている。そこは頂上のようで、下りの斜面にもおび
ただしい巨石が連綿と続いている。
  「牧丘町の文化財」によると、 「・・・・・境内には大神社、日
向社、津島社、子安社、祖霊社を併祀す・・・・・」とあるが、現
場の案内板などがなくそれぞれ該当するものを照合すること
は出来ない。
 一連の巨石群には五穀豊穣、子孫繁栄の村人の願いが込
められているように思えてならない。それは古代から未来の先
まで途切れることなく続く人々の原初的な必須の願いでもある
からだ。
 森の奥から降りて再び手力雄の命が降臨する神体石の下まで帰って来た。ここは高天原なのだろうか?
高天原がどこにあったかという論考は邪馬台国がどこにあったかという命題よりもロマンの広がりが大きいように
感じられる。

牧丘町には天照大神を祭祀する笠石大明神、スサノオの命を祀る黒戸奈神社、そして手力雄の命が鎮座する
立石神社があって、ちょうど高天原神話の重要なキャラクターが三柱そろっている。

天照大神やスサノオの命を祭祀する神社や天の岩戸は日本各地にあり、高天原神話の舞台はいったいどこだ
ったのか、常々疑問を抱いていたが、牧丘の地を再訪してその謎が氷解し自分なりの結論が引き出されるような
気がしてきた。

即ち ・・・・・ 高天原は、人々の故郷と同じように、どこにでも存在するのだ。この山のさらに奥深いところにも天の
岩戸があるのかも知れない。

そう考えて振り返った境内の景観は、まるで高天原の神々が岩と化して永年の眠りについているかのような印象
を受ける。この神々が目覚めるとき、この世にいかなる変化が起きるのであろうか。

 参考文献;

現地説明板
牧丘町誌編纂委員会・編「牧丘町誌」
牧丘町教育委員会・編「牧丘町の文化財」

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