所在地；沖縄県国頭郡恩納村字瀬良垣

沖縄の地は我々日本人にとって、昔も今も、特別な地域である。太平洋戦争末期に、本土の多くの人々が戦争に駆り出され、沖縄の人々も巻き込んだ結果、大勢の人々が戦死した。沖縄戦の死者数は米軍兵士も含めて２０万人、そのうち日本軍人が９万人強、一般人が９万人強で特に沖縄在住の人々は4人に一人が犠牲になったという。
自分にとっても、肉親がその兵士の一人であり、沖縄に対する想いはまた、さらに特別なものとなる。

そんな複雑な想いで訪れた沖縄の海は、しかし、どこまでも青く、深い、美しいものだった。

当日に宿泊する予定の万座ビーチリゾートに近づいたとき、車窓から、海上に浮かぶ大小の巨石にロープが掛けられているのが目に入った。フロントでその詳細を訪ねたところ、担当の支配人を紹介してくれた。

自分は全国の巨石に関心を持っていること、海の上にあるしめ縄の張られた巨岩の謂われ等があれば知りたい、と伝えた。

支配人は、あれはトベラ岩と云われており、その他に亀石という面白い岩もあるから写真など撮るといいですよ、と言って絶好の撮影スポットへ案内してくれた。そこは、最上階のスウィートルームのベランダだった。しかも、そこはなんと、かつて沖縄サミットが開催されたとき、クリントン前米大統領が宿泊したという超スィートルームだった。クリントン元大統領は、つがいで泳ぐ亀石を絶賛したという。

そのベランダに三脚を構えて何回もシャッターを切った。めったに見ることのできない超スウィートルームは、数部屋があり、大きな浴室はジャグジー付きで超豪華なものだった。　・・・自分が宿泊したのは、無論ここではなかった。