全 国 巨石磐座 探訪記 |
静岡県 巨石 磐座 |
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淡島は周囲約2.5kmの小島で、伊豆半島の根元、駿河湾の最奥部、北に江浦湾、南に内浦湾を望む位置にある。沼津市内を走る国道414号線を南下して県道17号線に入り、海岸沿いをさらに南下すると、淡島マリンパークの駐車場に着く。淡島は目と鼻の先に見えている。そこから小さな連絡船に乗り3分で島に着く。 |
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淡島という名は古事記に登場する。古事記のイザナキとイザナミの国生み神話によると、二神が天の浮橋に立ってアメノヌボコを下界の海に向け、したたり落ちた塩が固まって出来た島がおのころ島で、国生みの舞台となる。ここで最初に生まれたのは骨なしのヒルコで葦船に乗せて捨てられた。次に生まれたのが淡島で、かげろうのごとくはかない子で、数には入らない、そして次が淡路島である。 神話の世界では人の子も島も、夫婦の営みによって生まれたことになっている。この、かげろうのごとくはかない島が伊豆の淡島であるかどうかは定かではない。 |
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だが、富士駿河湾開発(株)・発行「淡島物語」という冊子の中で、郷土史家が、江ノ浦湾と内浦湾に抱かれた淡島が古事記に述べられているという趣旨のことを書いている。 |
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この小島は三つの特徴を持っている。一つは家族で楽しめる水族館などがある淡島マリンパーク、そして高級リゾート淡島ホテル、二つめは標高137mの頂上近くにある淡島神社をはじめ、海岸沿いをぐるりと一周する遊歩道に沿って存在する金比羅宮、水神宮、竜宮など信仰の歴史、そして地勢上の淡島の成り立ちや自然環境などを学ぶことが出来る。
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今回のメインテーマである大黒岩をはじめ、亀岩、獅子岩、夫婦岩などを見ることも楽しい。 淡島神社へは海岸沿いの遊歩道の傍らにある鳥居をくぐって登って行く。頂上近くに夫婦岩、大黒岩、亀岩などがあり、終点が海の守護神とされる淡島神社・淡島弁財天である。 |
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大黒岩はとくに特徴のない、どっしりとした巨岩であるが、ユニークな点はその上に3体の大黒様の彫像が設置されていることである。大黒様は七福神の一人で、また、大国主の命と同一という信仰もあり、農耕神、福の神として金運・開運・商売繁盛・交通安全・縁結びに御利益があるとして人々に信仰されている。三体の大黒像のうち古いものは江戸初期に奉納された、と説明板に記載されている。 |
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このオールマイティの神様に人々の多様な願いを込めて、この高みに三体もの大黒像が設置されたのだろうか。 三柱の大黒様が乗った大黒岩を眺めていると、なぜか心がほっこりするのだった。 |
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参考文献; 現地説明板 富士駿河湾開発(株)・発行「淡島物語」 三浦佑之・著「口語訳 古事記」・(株)文藝春秋 ホーム |
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