全 国 巨石磐座 探訪記 |
富山県 巨石 磐座 |
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所在地;富山県魚津市三ケ杉ノ尾
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富山県魚津市のキャッチコピーは「蜃気楼の見える街」とのことであるが、今回は海に背を向けて山の方へ向かうことにする。 魚津ICから県道132号を経由して約15km、片貝川にそって進む。片貝山ノ守キャンプ場を過ぎて「蛇石、洞杉巨木群」の看板に従って県道をそれ、支線に入るとまもなく洞杉群駐車場がある。そこから先は徒歩で約2km進む。 |
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道は舗装されているが、環境を考慮してか、車は進入禁止になっていた。ほぼ直線の舗装道路は単調で、歩くと長く感じたが、小さな橋を渡ったところで「蛇石」の案内板があった。道路をそれて進むと比較的新しい鳥居の奥に祠がある。現地の看板によると、「龍石祠」と名付けられ、北陸電力(株)の前身の日本海電気(株)によって昭和16年に建立され、片貝川水系の農業と電力事業の守護神六柱を祭っている。神々の役割分担があるようで、山の尾根筋の水を治める高龗(たかおかみ)大神をはじめ、降雨、止雨を司る神、天の水、地の水の神など水力発電に関する分業体制がとられている。 |
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河原に降りてみる。電力会社の神頼みのルーツは、河原のなかの一つの巨石である。黒っぽい太い筋が巨石の表面を縫うように走っていて、まるで蛇が巻き付いているように見える。多くの川原石の中で、一つだけ目立っている。 日照りが続くとき、この石を叩いて雨乞いをするとたちまち雨が降って多くの稲田が救われると人々に崇敬された、と言い伝えられている。 |
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伝説によると昔、片貝川上流の森林を加賀の殿様御用達の材木として伐採し、川に流し魚津の浜まで運搬していたが、川の中に住む蛇が時々大雨を降らせて材木を流し去ってしまうことがあった。たまたま三太という信州の狩人がこの地に居合わせ、片貝川上流にただならぬ妖気を感じ、よく見ると一匹の蛇が川中の大きな石に巻き付いている。三太は銃に金の弾をこめて蛇の急所を打つと蛇は石に巻き付いたまま息絶え、石と一体になってしまった。
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この石の生成原因は、学問的には説明されると思われるが、そこには前述の伝説などはなく、文字通り石のように堅くて冷たいものになってしまうであろう。 この蛇石または龍石のユニークなところは、電力会社によって祀られていることである。説明板の末尾には「北陸電力においても春秋二回地元民と共に厳かに祭礼をとり行っています」とある。 電力会社の感性がたいへん微笑ましい。 |
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参考文献; |
現地説明板 北日本放送(株)・編集・発行「伝説とやま」 |
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